11/04/2008

脊柱側弯症について

今回は、『脊柱側弯症』についてお話したいと思います。『脊柱側弯症』と言ってもあまり耳慣れないと仰る方も多いかも知れません。脊柱側弯症は、脊柱(首・背中・腰の骨)が側方へ弯曲してしまっている状態の事をを言い、私達の人口の約25パーセントにみられる症状です。通常は10歳から12歳で発症するのですが、初期段階ではそれほど症状が顕著でない為に、当の子供たちも気づかない事が多いという特徴があります。しかしながら、放置しておくと後で深刻な問題を引き起こしてしまう可能性があるため、効果的な治療が容易である早期発見が大切です。私達カイロプラクティック医が、お子さんが12歳になった時に脊柱側弯症の検査をお勧めするのもそれが理由です。

では、どうして脊柱側弯症になってしまうのでしょう?実は、現時点では脊柱側弯症の発症するメカニズムはまだ解明されていません。遺伝の可能性もあると言われていますが、成長期に子供達の身長がグンと伸びる際に、他の身体のシステムの成長がついていけず、バランスが悪くなってしまうことが一番の原因だと考えられています。特に、子供達の脊柱のバランスが、早すぎる成長についていけないことが大きな要因であるとされており、こうした時期にちょっとした転倒や事故にあうと、骨盤が大きくスライドしてしまって姿勢が悪くなり、放っておくと脊柱の異常にまで繋がってしまいます。

こうした脊柱側弯症に対して、一般医療による代表的な治療法は、早期の場合「静観」に頼ることが殆どです。これは一般医療では早期段階で治療出来る事が限られているからなのですが、そうして放置すると、より複雑な症状を招いてしまって、結局は脊柱へのコルセットや、外科手術をしなくてはならなくなる事もあります。そこで脚光を浴びているのがカイロプラクティックによる脊椎矯正です。カイロプラクティックの脊椎矯正は、早期の脊柱側弯症治療に対して大きな実績をあげており、症状の悪化を防ぐ事でも知られています。既述した骨盤のスライドや、脊柱の異常に対しても、カイロプラクティック治療で骨盤の矯正をしたり、必要な筋肉を強化することで、姿勢の悪化を防ぎ、コルセットや外科手術を回避することが可能なのです。

簡単な脊柱側弯症の見分け方もご紹介しておきましょう。最も一般的な方法は、左右の肩の高さに着目することです。また、背中の左右にある隆起部のバランスの悪さも脊柱側弯症の症状のひとつです。お子さんにこうした症状がみられる場合は、直ぐにでも検査を受ける事をおすすめします。

大人にとっての脊柱側弯症の影響は、子供のそれとは少し違います。成人にとって、最も一般的な症状は背中・腰の痛みでしょう。脊柱側弯症による背中・腰の痛みは治療が困難なことで知られていますが、ここでもカイロプラクティックによる脊椎矯正(カイロプラクティック・アジャストメント)が最も効果的な治療法として認知されています。

早期発見と適切な治療こそが脊柱側弯症に最も有効な対策です。早いうちに処置することで、より複雑かつ高額な治療の必要がなくなります。したがって、12歳前後のお子様がおられる場合は、大人になって症状が悪化してしまうのを待たずに、脊柱側弯症の検査を定期的に受けてみてください。

慢性的な痛み(慢性痛)について

それでは、何が『慢性的』で、何が『急性的』なのでしょうか。一般的には長期的なものが慢性的で、短期的なものが急性的であると考えられてきましたが、単純にそう言い切れない事が最近の研究で分かってきました。例えば腰の痛みを例に挙げて考えてみましょう。従来、殆どの急性腰痛は6週間でよくなると考えられていましたが、英国の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」が発表した内容によると、今まで一ヶ月以内で良くなると思われていた腰痛患者の多くが、一年後のフォローアップ時にも同じ症状を訴えている事が分かりました。つまり、少し放置しておくと痛みが無くなるので『急性』だと考えられていた腰痛の多くは、決して完治しているわけではなく、『急性的な痛みと比較的痛みの無い時期が不定期に発症したり、納まっている状態が交互にくり返しているだけで、また再発する恐れのある慢性的な問題』なのです。


既に多くの読者がご存知のとおり、慢性、急性に関わらず、腰痛の治療にはカイロプラクティック治療が最も効果的であることが数多くの研究で明らかになっています。例えば、1994年に米国保険社会福祉省内にあるAHCPRthe Agency for Health Care Policy and Research)が発表した研究は、急性腰痛治療には脊椎矯正(カイロプラクティック・アジャストメント)、もしくは非ステロイド性の抗炎症剤を使った治療法が科学的にみても最も効果的であるとしています。


また、腰痛以外の痛みについても、例えば、頚椎(首)の痛み、そして頭痛の治療において、脊椎矯正を受

けた患者のグループとそうでないグループを比較したところ、頭痛の頻度、頭痛の度合い、市販薬の使用頻度、そして健康状態などの4ポイントについて、統計的にも、臨床的にも脊椎矯正を受けた患者グループの方がフォローアップの段階で顕著な改善を示したという研究結果が発表されています。そして、偏頭痛に対するカイロプラクティック治療についても、これに似た効果が確認されています。


ところで、前述のAHCPRが脊椎矯正(カイロプラクティック・アジャストメント)と同等の効果を示すとした『非ステロイド性の抗炎症剤』ですが、これはアスピリンや、イブプロフェン、AleveNaproxVolataren、そしてCelebrixVioxxなどの新薬のことです。これらの抗炎症剤には、胃の潰瘍化や出血のほかに、時には肝炎や、喘息または耳鳴りなどの副作用があることで知られており、こうした副作用は、長期使用によってリスクが増加する恐れがあります。そういう側面を考慮しても、カイロプラクティックによる脊椎矯正こそが自然で、かつ最も効果的な治療法であるといえるのではないでしょうか。


ベッドでの休養と矯正具使用の弊害について

腰や首に痛みがあると、『とりあえずベッドで寝ていれば治る』とおっしゃる方がおられますが、これは場合によっては症状を悪化させてしまう可能性があるので注意が必要です。最近、労働衛生研究所のM・ビードバン医師のリサーチ・チームが発表したレポートによると、ベッド休養や矯正具の使用による関節の固定は、治癒を遅らせるだけでなく、関節炎の原因にも繋がるとしています。しかもこうした症状は長期的な休養や使用による結果ではなく、たったの一週間という短い期間でも顕著に表れるというから驚きです。

これまでにも、ベッド休養や関節固定が、腰痛や関節障害といった筋骨格系の痛みに対して効果がない、もしくは科学的な根拠がないことは各方面でも指摘されてきました。ところが、今回のM・ビードマン博士の研究のように、単に効果がないというだけでなく、逆に悪影響を及ぼしてしまう可能性があるという研究結果が既に他にも2つの研究で報告されているのです。

例えば、イギリス人整形外科医で、労働障害の専門家として高い評価を受けているトゥループ博士も次のように述べています。「ちょっとした腰痛の場合、ベッドで休養を取れば治ると思っている人が少なくありませんが、実際には2日間寝ているだけでもかなり危険な状態になってしまう可能性があることを我々は認識しなくてはなりません。ベッド休養や関節固定が関節炎の原因になってしまう因果関係は、それほどまでに顕著であり、こうした筋骨格系の症状を解決するにあたっては早期の時点でもっと『積極的な治療』を施す事が不可欠なのです。」

では、トゥループ博士のいう『もっと積極的な治療』とはどのようなものなのでしょうか?エクササイズや、リハビリ、そして物理療法などが挙げられますが、その中でも最も効果がある代表的なものがカイロプラクティック治療です。ベッド休養や関節固定が、基本的には症状の『放置』であるのに比べ、マニピュレーション(脊椎矯正)などのカイロプラクティック治療は、痛みの兆候があった時点で問題点を矯正し解決するために施されます。それは痛みの原因が首であろうと、腰や手足のしびれ、もしくは頭痛であっても変わりません。原因を調べ、それを除去する為に行われるのがカイロプラクティック治療なのです。

こうした『積極的な治療法』の有効性が、世界中の多くの研究者達に認知され推奨されている背景にはもう一つの理由があります。痛み止めの服用やベッド休養、筋弛緩剤、矯正具の使用といった生活に大きな支障を及ぼしかねない処置法に比べ、カイロプラクティックによる治療は通常のライフスタイルを大きく変えずに受ける事が出来ます。元来、治療というものは患者が『症状』に生活を左右されることがないように施されるべきであるという信念が研究者達の根底にはあるのです。

無論、全ての矯正具や薬物療法が不要というわけではありません。場合によっては効果がみられる事もあります。しかしながら、殆どの腰痛においては『積極的な治療法』の有効性が認められています。また、カイロプラクティックにエクササイズを取り入れた治療プログラムに比べると、マッサージや、関節を動かさずに施す治療、そして薬物治療などは、前述のように効果がないだけでなく長期的に考えると更なるダメージを与えてしまう事があることを忘れてはいけません。

したがいまして、もしもあなたが腰痛にお悩みなのであれば、まずカイロプラクティック医に相談される事が最も効率的です。ソファーに横たわって安静にしているだけで治ると過信していると、知らないうちに関節を痛めてしまう可能性がある事をご留意いただきたいと思います。